学習支援32 勘違いされやすいアーレンシンドローム2

アーレンシンドロームは光の感受性が強いことから日光や照明が苦手で、特に青い光のブルーライトのLEDの光を強く感じ、非常に不快な気分にされます。テレビ、パソコン、スマートフォンの画面もLEDの光であるため、操作だけでなく、テレビを正面から見ることもできない人もいます。
アーレンシンドロームのために集中することができず、注意欠陥・多動性障害と勘違いされることもあります。
めまいやイライラ、不安、疲れが起こり、頭痛や気分の落ち込み、落ち着きのなさも起こり、状態が進むとうつ状態の引き金にもなりかねません。このことが自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害と勘違いされることがあります。
発達障害では運動機能の発達の遅れから体操や球技が苦手ではあっても、感覚の調整がうまくいかないということは、あまりみられません。それに対してアーレンシンドロームは白い光が眩しくて白いボールが見えにくい、二重に見えるということが起こり、ボールをキャッチできない、ボールが打てない、バレーボールのスパイクで手に当たらないということも起こります。跳び箱のマットも白いために見えにくく、距離感がつかめずに手がうまくつけない、激突するということも起こります。
距離感がつかめないと階段で転ぶ、エスカレータに乗るときにつまずくということがあり、普通に歩いているだけでも強い光を感じたり、白い壁のところでは正常に歩けずに転倒することもあります。
アーレンシンドロームの出現率は6%ほどと推定されています。発達障害の発現率は10%ほどであり、そのうち感覚過敏に起こりやすい自閉症スペクトラム障害は2%ほどであって、その全員に視覚過敏があるわけではないことから、圧倒的にアーレンシンドロームのほうが多いことがわかります。