学習支援35 グレーゾーンの意味

発達障害ではグレーゾーンという用語が一般に使われていますが、これは正式な診断名ではありません。グレーゾーンは生活習慣病においては診断域に達していないもののリスクが高い境界域を指していて、予備群とも呼ばれています。
発達障害のグレーゾーンは、専門家によって発達障害の可能性が指摘されたものの、すべての診断基準を満たしていないことから、確定的な診断ができない状態を指している通称となっています。
グレーゾーンの主な3パターンは以下のものとなっています。
・調子が良いときも悪いときも診断域外にいるが、診断域との境界に限りなく近い状態の人
・調子の悪いときのみ診断域に入る状態となる
・ほぼいつも診断域内の状態
これらの状態で、発達障害がある人と同じくらいの支援を必要とする人とされています。
グレーゾーンは、どの発達障害の傾向があるのかによってみられる特性が異なるため、特定の状態は存在していません。また、グレーゾーンには、それぞれの人がもつ特性の程度や現れ方が、体調や環境、場面によって左右されるという特徴があります。学校では状態が強く現れるものの、学校では比較的軽いといったことが起こりやすく、家族には気づかれにくいこともあります。
発達障害は数値的な基準がないために見極めにくく、学業成績がよいためにグレーゾーンと気づかれず、成人になってから発見されることがあります。発達障害の特性に気づかず、適切な支援が受けられないことから、周囲に理解されないまま成長して、失敗体験を重ねることにもなります。
そのために二次障害が起こりやすくなっています。二次障害は適切な対処が行われないと状態が悪化して、長期化する傾向にあるため、グレーゾーンでは二次障害の防止が重要なポイントとなっています。