学習支援39 学習の障壁を理解して減らす

学習障害がある子どもにとっては、学ぶ機会や学ぼうとする意欲を削ぐようなことは、できるだけ避けたいと思うのは当然のことで、そのような障壁にもなりかねないことがあったら、どうしてなのか知りたい、知って解決したいと考えるのも当然のことです。
発達障害がある子どもが、学校の教師や学習塾の講師、親などに、自分が障壁と思えるようなことがあったときに、「なぜ?」と聞いてくるのは、解消してほしいという強い気持ちがあるからです。
理由がわかれば、受け入れて、ある程度は我慢することもできるのでしょうが、理由なしに希望が受け入れられない、拒否されるというのは我慢の範囲を超えてしまいます。定型発達(発達障害でない)の子どもでも我慢できずに爆発することはあります。発達障害では自分の考えを出してくる子どもばかりではなくて、自分の中に押さえ込んでしまうこともあり、言ってもらわなければ気づかないということも少なくありません。
発達障害児に対して、根拠のない励ましはいけないと言われます。本人が理解して、それなら頑張ってみよう、頑張って課題をクリアしてみようと思えることでなければ、そのことで苦しさ、困難さを増すだけです。
それと同じように、障壁を解消できない理由が、体制、伝統、常識、習慣、儀式、忖度(そんたく)ということでは、受け入れるように言われても納得することができず、混乱をさせることになります。いわゆる“大人の都合”は子どもには本来は関係がないことで、ましてや発達障害児、学習障害児には、このような理解できないことを理由として解消はできない、受け入れるしかないということは言うべきではありません。
こういったことを理解して、子どもたちが何を障壁として感じているのか、そのようにして障壁を取り除いて学習に取り組めるようにするのかを考えてあげるのが、教える立場の者が注意すべきことです。