エネルギーロスは、一般では電気が送電線を伝わって送られていくときに電気エネルギーが熱エネルギーとして失われることを指しています。また、もともとの計算上のエネルギー量(単位エネルギー量×重量)に対して実際に燃焼させたときに発生するエネルギー量の差を示す用語としても使われています。
体内でのエネルギー量の変化について使われるエネルギーロスは、体内に蓄積されるエネルギー量の差を表すために使われています。エネルギー源は糖質、脂質、たんぱく質だけで、それぞれ1gあたり約4kcal、約9kcal、約4kcalのエネルギー量があります。同じ分量であったら、脂質(脂肪)は糖質、たんぱく質の2倍以上のエネルギー量があるわけです。
飲食で摂ったエネルギー源は、全身の細胞に取り込まれて、細胞の中にあるミトコンドリアという小器官の中でエネルギー化されています。このときに発生したエネルギーは体温を維持する熱エネルギー、身体を動かす運動エネルギー、神経伝達に使われる電気エネルギーなどとして使われます。この消費エネルギー量よりも多くのエネルギー源を摂った場合には、体脂肪として蓄積されます。
糖質も脂質もたんぱく質も、余分となったものは肝臓で脂肪酸に合成されて、さらに脂肪酸が3個結びついた中性脂肪となって脂肪細胞の中に蓄積されます。この肝臓で合成されるときにエネルギーが使われます。脂質が中性脂肪になるときには似たようなものに変化するために、合成に使われるのは3%ほどです。それに対して糖質とたんぱく質は20〜23%も使われます。
この脂肪酸合成は副交感神経の働きによって盛んになるので、夕食で多くなります。そのためにダイエットを目的としている場合には、夕食で脂肪を減らすことで蓄積される中性脂肪を減らすということが行われます。
蓄積された中性脂肪は、翌日の重要なエネルギー源であり、身体を正常に働かせるために使われます。発達障害は脳の負荷が大きく、多動性では活動量が多いことから消費エネルギー量も多くなっています。そのため、太っていない場合では、夕食に脂肪が含まれる食品を摂って、多くのエネルギーを蓄積させるのがよいということになります。