「教育七五三」という言葉があります。これは落ちこぼれの割合を指したもので、高校では7割、中学校では5割、小学校では3割が授業の内容を理解できずに落ちこぼれているとされています。すべての授業が理解できないということではなくて、一部の教科だけ、もしくは教科全体ではなくて一部だけが理解できないという場合も含まれています。
小学校では生徒が理解できるようにすることが重視されているのに対して、中学校では一定のスケジュールに合わせて授業が進められていくので、どうしても落ちこぼれが多くなってしまいます。本当に理解できずに取り残されている場合だけでなく、教え方がよくないため、それぞれの子どもの特性に合わせた学ぶ環境が整えられていないために取り残され、落ちこぼれとなっている場合も少なからずあります。
落ちこぼれというと理解できないことから授業が面白くなくてドロップアウトしていくというように認識されているものの、実際には理解できているのに面白さを感じないということもあり、それも日本では落ちこぼれの範疇に入れられてしまっています。ところが、アメリカでは日本でいうところの落ちこぼれ(drop out)とは違う“吹きこぼれ”という考えがあって、それに合わせた対応が進められています。英語ではボイルオーバー(boil over)と表現されています。
アメリカでは落ちこぼれは15%ほどですが、吹きこぼれも多くて13%ほどとされていて、ほとんど変わらないだけの存在率とされています。これだけ多ければ、ボイルオーバーの対応がなされているのは当然のことといえます。
実際の教育の場ではボイルオーバーはあまり使われていなくて、ギフテッド(gifted)という聞いたことがあるかもしれない用語が使われています。ギフテッドの紹介と可能性については次回に紹介します。