学習支援64 喜んで通いたくなる学習の場

学習障害の子どもたちを受け入れる塾に、初めから自分から行きたいといって入塾する子どもは多くはありません。中学生くらいまでは親が入塾を決め、仕方がないという気持ちのまま通っている子どもも多く、送り迎えを親がして、行きたくない気分の日であっても連れてこられてしまうということもあります。
その子どもが、どのような気持ちで通っているのか、塾での学習を楽しいと思っているのかということは、なかなか気持ちを打ち明けてくれない発達障害がある学習障害児の場合には、教える側がわかりにくいところがあります。そのわかりにくいことを判断するために、学習を終えて帰るときの姿に注目することがあげられます。
教える側が忙しいと、塾から出た瞬間に責任は終わったという感じもあって、見送りもしない、歩いて帰る姿を見送ることもないということになりがちです。塾に通うことを楽しく感じていれば、名残惜しそうに帰る姿を目にすることができるものの、そうでない場合には、さっさと帰ろうとする姿を見ることになります。
学習障害の子どもで、普通クラス(特別支援学級ではない)に通っている場合は、自分1人だけ、もしくは2〜3人が授業から置いていかれる存在だったのが、同じような学習速度の子どもたちの中では、安心して学ぶこともできます。そのような場所だけに、学習の差が目立つような教え方をしてはいけないのは当然のことです。わからないところがあったり、クリアするのに時間がかかるような場合でも、じっくりと構えて教えるようにすることが大切になります。
そのようなことの繰り返しが安心感を高め、ここに来れば、自分の才能が発揮できるという希望を抱いて通う場とすることができるようになっていくのです。