発達障害児は、すべての子どもの10%ほど存在するとされています。文部科学省による過去の調査では、担任が発達障害の可能性があるとしている子どもの割合は6.5%ですが、これに特別支援学級に通う子ども、認識されていない発達障害児を加えると少なくとも10%はいるとみられています。この10%という割合は、全国各地の発達障害支援センターや発達障害児支援施設などが把握している数字と一致しています。
発達障害は自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害、学習障害に大きく分けられます。10%のうち学習障害は半分ほどとされていますが、実際には発達障害による学習障害は10%ほどになっています。というのは、自閉症スペクトラム障害と注意欠陥・多動性障害でも学習に集中できないことから困難さを抱えやすいこともあり、発達障害と診断されていなくても学習に障害が出ることもあるからです。
学習障害は、識字(読字)障害、書字障害、算数障害に大きく分類されています。読む、書く、計算するという基本的な部分に障害があるために学びにくくなっているのですが、この改善のために発達障害児支援施設の機能トレーニングと、学校や学習塾での学力向上との間の存在としての学習支援の場が必要であるとの認識から、現代版の“寺子屋”の開設を進めているところです。
寺子屋は読み、書き、算盤を教える庶民の教育施設で、江戸時代末期には江戸の町だけでも1万5000か所はあったといわれます。庶民の子どもが生活をしていくうえで必要な知識を身につける場であったわけですが、江戸の庶民教育を担っていたのは“手習い所”と呼ばれ、“寺子屋”と呼ばれていたのは上方です。寺院の一室を借りて手習師匠が教えていた、このスタイルを他で学ぶ機会が少ない学習障害児の学習支援を実現するために、学習障害を理解して、的確な支援を実施できる体制と指導するための講習テキストの作成を急いでいます。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)