文字を書くことができるのに、鉛筆の芯(ペン先)が思うように動かせなくて書きにくく、そのために書くのに時間がかかり、制限時間内に書けないということもあります。文字は紙とペン先の摩擦によって書かれています。ツルツルした紙だとペン先が滑って書きにくいのは当たり前に起こることです。鉛筆の握りと動かし方がスムーズにいかない段階では、摩擦が強まるように抵抗感がある紙を使い、下敷きも滑りにくくて、ペン先が強く当たるものを選ぶようにします。
文字を書くスペースを上手に使えず、余白との関係もつかめないために、うまく文字が書けないこともあります。文字の見当をつけることを感覚的に覚えられるようになるまでは、罫線が入ったノートや、マス目を使って書いていくようにします。これを繰り返すことで文字のバランスが徐々に整えられていきます。
ノートや試験などの解答用紙は白色が基本ですが、感覚過敏の視覚過敏があると紙の白さが目を刺激して見えにくいために書きにくい、照明が反射して文字が書けないということも起こります。文字が書けるようになるまでは、色のついた紙のノートなどを使って書くことも考えます。
うまく文字を書くことができない場合には、鉛筆の場合には修正するために消しゴムを使うことになります。この消すことに手間取り、書くための時間が短くなり、その焦りによって、ますます文字の形が整いにくいことにもなります。そこで文字が感覚的に書けるようになるまでは、タブレットを使用して、何度も書き直すことができるようにする方法もあります。小学校、中学校のタブレット導入が進んでいる中、事情を説明して覚えるまでは使わせてもらえるように学校や教師の理解を得ることも書字障害の改善には大切なことです。