太っている人にはダイエットがすすめられます。これはスタイルをよくすることが目的というよりも、体脂肪が多く蓄積されていることによって生活習慣病が起こることを予防するためのことです。子どもは、少しくらい血圧が高くても、血糖値が高くても、すぐに高血圧症や糖尿病になることはありません。だから、好き嫌いをして食べなくなるようなら、あまり制限をしないで好きなものを食べて身体を大きくすること、身体を動かすためエネルギーを多く作り出すことを親は目指そうとします。
では、大人の場合は太っている人は食事を制限したり、運動をしてやせるようにさせることが正しいということなのかというと、無理をしてやせて、身体を傷めるようなことをしてはいけないという考え方があります。太っているだけでは病気ではなくて、やせるようにすることは治療ではありません。だから、やせることを無理強いする必要はありません。
これは子どもの発達障害の学習障害に対する態度としても大切なことで、発達障害が病気の一つとして、何がなんでも医学的な改善を目指さなければならないということではないはずです。医学的な改善ができなかったとしても、学習障害がなかったように、もしくは軽度の学習障害と同じような状態にすることができればよいと考えることも、今のようにIT技術やサポートツールのレベルが高まっているときには可能となっています。
学習障害の困難さを克服するためのツールは次々と開発されていて、識字障害(文字が読めない)は文字を読み上げるツールによって改善することができます。書字障害(文字が書けない)はパソコンの文字変換ソフトの活用で、算数障害(計算ができない)は電卓や計算ソフト、図形・グラフ変換ソフトの活用で補うことができるようになりました。
発達障害は脳の発達に凹凸があるもので、凹の欠けている部分を埋めて□(四角形)にするためにツールが使われていますが、さらにツールの活用を進めることで凸にすることも可能となっています。このように発達障害は科学技術で支援することから始まり、それが自由に使える業界で働くことを目指せばよいということが考えられているのです。

