発達障害による学習障害であることを子どもに伝えていない、隠したまま学習塾で学ばせたいという要望をもって、子どもを学習塾に預けようという保護者もいます。それが少ないわけではなくて、普通クラスに通っている子どもの場合には、本人に伝えてショックを与えたくない、できれば発達障害であることを隠して学力を高めたいということを希望する保護者も増えてきています。
学習障害の子どもたちと話してみると、小学生でも5年生以降になると、すでに自分が発達障害であることに気づいている場合も少なくなりません。今のように通信メディアが普及していると、自分の状態を検索すれば簡単にたどり着けることです。隠しておきたいという親の気持ちにも気づいていて、それを気づかって生活をしていることが、かえって子どもたちの負担を強めて、それが学習にマイナスになっていることもあります。
かといって、発達障害、学習障害の子どもたちのための学習の場であることを表に出さずに、学習障害児の保護者にアプローチするのは大変な作業です。そんなときには、発達障害の子どもも、そうでない子どもも関係なしにサポートする新たな塾を提案しています。発達障害では集中するのが苦手で、感覚過敏もあって上手に学習用具が使えない場合もあります。鉛筆を持って、当たり前に書くこともできない書字障害も増えています。
これは発達障害に限らず、発達性協調運動障害でもみられることで、発達障害が10人に1人、そのうちの学習障害は半分という実態ですが、発達性協調運動障害も10人に1人は存在しています。発達性協調運動障害の30%ほどは発達障害という報告もあって、発達障害でなくても、手先が不器用、姿勢の保持ができないなどの理由で、認知機能に問題がなくても充分に学べないという子どもも少なくありません。
学習のために必要な学業技能を習得するための教室で隠れた能力を発揮できる基礎を身につけさせ、それを踏まえた上で学習障害に対応する講習を実施することを紹介しています。