学習障害198 発達障害の理解を進める活動のきっかけ

学習障害児には、機会の平等ではなく、結果の平等を与えたいという思いから、学習障害支援に取り組む人が増えるように活動してきました。その活動のきっかけとなったのは、発達障害児の受け入れの課題に直面したことでした。球技は身体の感覚を刺激して、脳の発育にもよいことは以前から知られていましたが、中でもテニスは子どもの脳の発達から高齢者の認知機能の低下予防にも役立つということを発表して、それを強調したテニスクラブを開設してきた人がいました。
過去形で書いたのは、そのテニスクラブがなくなったということではなくて、強調していることと違ったことをして、発達障害児も、その保護者も気を落とさせる結果となったことを示したかったからです。
子どもの脳の発達に役立つとうたわれれば、そんなテニスクラブに通わせたいという保護者からの問い合わせが多いのは当然のことです。発達障害のために学習面で劣っていることを感じている保護者にすれば、運動での活躍を願いたくなるのも当然のことです。
ところが、そのテニクスラブは、すでに通っていた子どもがテニスに集中しないだけでなく、周りの子どもの練習を邪魔するような行為もみられることから、親に問い合わせたところ発達障害であることがわかりました。能書きどおりの対応をするのなら、発達障害であることがわかったところで、特別な対応をしてくれることを期待したと思うのですが、実際の対応は退会を求めました。それだけでなく、発達障害児は受け入れないことまで打ち出しました。
これは発達障害児の特性を充分に理解していないことと同時に、発達支援が、その子どもや保護者のためだけでなく、社会のために役立つことを理解していなかったためのことです。社会に広める活動を急がなければならないと決意したきっかけでもありました。