発達障害児を受け入れないテニスクラブの話を前回はしましたが、発達障害であることを承知して受け入れ、その子どもの能力を引き上げようとしているところもあります。それはテニスの才能を伸ばすことだけでなく、発達障害の改善にも役立たせようと努力しているところがあるのも事実です。
その一方で、発達障害児だけを特別クラスにして、他とは違うプログラムを実施しているところもあります。これが理解や行動に時間がかかる子どもの特性に合わせたものであればよいのですが、そうではなくて、他の利用者の邪魔にならないように時間を分けたり目に触れないように他の場所で行っているところが目立っています。これでは障害者だけを別に扱う過去の福祉の世界と同じことであって、今のユニバーサルの活動の時代には通じにくいことです。
学習塾でも、発達障害児、学習障害児を受け入れるところは随分と増えてきました。10人に1人が発達障害児、発達障害児以外も含めて学習障害児が10人に1人という状況では、10クラスに1クラスは特別の対応をする教室であってもよいはずですが、そうではないのが実情です。中には、学習をさせているのか、遊ばせているだけで本気で教えようとしているのか疑われるようなところもあります。
学習障害がある子どもは学習に集中ができず、学ぶための基礎となる能力(読む、書く、計算する)が低い状態の子どもがいることは否定しません。また、保護者が学習能力の向上を求めるのではなく、預かりを期待している向きもあります。発達障害児を預かる施設を利用することを子どもが気にする、拒否するということもあり、周囲の目を気遣って学習塾に通わせている親もいます。
それで経営が成り立つのだからよいということではなくて、学習塾の看板を掲げて受け入れたからには、たとえ遊ばせるにしても学力の向上につながることをやってほしいという思いから、学業技能の向上のための学習支援プログラムを構築しています。