学習障害37 感覚と運動系に課題がある場合の読み書きの困難さ

文が読めない子どもで、感覚と運動系に課題がある場合には、リズミカルに話すことや文字を覚えるのが極めて困難で、知的な発達に遅れがないにも関わらず、読めない文字が多く、正しくかける文字が少ないという特徴があります。不器用さが目立ち、力を抜きながら身体や心(気持ち)をコントロールすることが難しく、それが日本語の話し言葉のリズムがうまくできないということがあります。
漢字の習得では、書くことに強い抵抗感があります。なんとかして書こうとして筆圧が強くなりすぎて、上手に形を作ることができなくなります。読み方を覚えている漢字は書けるものの、書ける漢字は少なくなりがちです。繰り返し書くことによって、手で覚えるということを期待しているものの、それができず、漢字の習得に困難さがあります。そのことから、自分は不完全であり、満足にできないという自己不全感が強くなりがちです。
特殊音節の習得と使用については、他の読み書きに比べて特に困難というわけではないものの、定着しないところがあり、感覚統合の困難さと不器用による困難のために、混乱を起こしていることが多く見受けられます。
眼球運動や左右の協調性が原因となっていることから、通常の指導法で進めるとともに、根本原因となっている眼球運動や左右の協調性などのトレーニングも必要となります。トレーニングといっても、その多くは遊びの中から得られるもので、就学前の子どもの場合には遊ばせる中で感覚を統合させていくようにします。小学生からは文字が読めない、漢字が書けないという状態を改善するために作られたゲームやツールを活用して、学ぶ中で眼球運動などを整えていくことに取り組むようにします。