学習障害88 男と女で異なる右脳と左脳のバランス

脳を大きく分けるときには二つの方法があります。一つは脳幹、大脳辺縁系、大脳皮質に分ける方法で、脳幹は自律神経をはじめとした生きるために必要な機能、大脳辺縁系は本能や情動、欲望を感じる機能、大脳皮質は考える機能とされています。
大脳皮質は前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉に大きく分類されていて、それぞれ機能が異なります。例えば、目から入ってきた視覚情報は後頭葉に届き、側頭葉に蓄積されている視覚記憶と照らし合わせて、その情報が前頭葉に伝わって知識や判断などが発揮されます。
こういった大脳の働きで分ける場合のほかに右脳(うのう)と左脳(さのう)で分ける方法もあります。右脳は右半球、左脳は左半球にあります。右脳はイメージ脳と呼ばれ、図形や空間、芸術、想像などを担っています。左脳は言語脳と呼ばれ、記憶や分析、論理的思考などを担っています。右脳と左脳は脳梁というブリッジで結ばれていて、右脳と左脳の機能を上手にバランスよく使って脳は正常な働きをしています。
発達障害は脳の発達の一部に遅れがあり、発達に凹凸がみられる特徴があります。この凹凸が大きな原因と考えられているものの、それだけではなくて脳梁の情報伝達がスムーズに行われていないことがあげられます。脳梁は脳の発達の段階で右脳と左脳の両方を使うことで徐々に太くなっていきます。その変化には男女差があって、成人の脳梁を比較すると女性は男性の2倍ほどの太さがあります。
発達障害児の男女比をみると、男性は女性の2.4倍になっています。この結果だけをもって脳幹の太さが発達障害の原因と言うつもりは、もちろんありません。しかし、脳幹の太さが影響している可能性は高く、身体を盛んに動かすこと、ゲームでも構わないので脳と身体を同時に動かすことをすると脳幹を太くして、右脳と左脳をバランスよく使うことができるようになるということです。