学習障害89 発達支援のベースになるのは栄養と自律神経調整

発達障害の改善は、できるだけ早く取り組むことで進めやすく、改善の効果も得やすくなっています。しかし、子どもに発達障害であることを伝えていない保護者や、子どもには伝えていても周囲に隠している保護者もいます。それぞれに事情があり、考えにも違いがあって、改善の妨げになると指摘するのは酷なことです。
しかし、改善のための取り組みは、できるだけ早いほうがよいのは当然のことで、その方法として私たちは生理学に基づいた栄養摂取の方法を提供しています。栄養摂取というと、必要とされる6群の栄養素をバランスよく摂取することが一般にはすすめられています。6群というと、骨や筋肉を作り、エネルギー源となる1群(肉、魚、卵、大豆・大豆製品)、骨や歯を作り、身体の機能を調整する2群(牛乳・乳製品、海藻、小魚類)、皮膚や粘膜の保護、身体の機能調整の3群(緑黄色野菜)、身体の機能調整の4群(淡色野菜、果物)、エネルギー源となり、身体の機能を調整する5群(穀類、イモ類、砂糖)、エネルギー源となる6群(油脂類、脂肪の多い食品)に分類されます。
この6群は尊重しながらも、発達のための栄養学は、脳の機能を高めるためにエネルギー源からエネルギーを作り出すために必要なビタミンとミネラルの摂取を基本としています。栄養摂取のためには消化、吸収が重要で、排泄も関わってきます。これは出さなければ食欲が湧かないということではなくて、大腸の中でもビタミン、ミネラルの一部が合成されていて、この栄養素も身体調整に使われているからです。消化・吸収と排泄の間にあるのは血液による循環と細胞の中での代謝です。この消化、吸収、循環、代謝、排泄をスムーズに進めるのは自律神経の働きで、これを整えることも栄養摂取を支えるベースとなります。
つまり、自律神経調整の上に栄養摂取が重なり、その上に身体機能、認知機能が重なって、そこに乗っているのが学習です。全体の基本となる自律神経調整と栄養摂取は、すぐにもできることなのに、それが手付かずのままに学習に目が向いているのが現状と考えています。