厚生労働省から平成30年簡易生命表が発表になりました。平均生命表で発表された結果は、一般には平均寿命として発表されていますが、ここで発表されているのは平均余命です。平均余命は0歳の人、つまり今年生まれたばかりの人が、今の環境や経済状況などが変化しなかった場合に生きることができる推定の期間です。これによると、男性は81.25歳、女性は87.32歳で、男女ともに過去最高を超えました。昨年の平均余命は男性が81.09歳だったので0.16年の延び、女性が87.26歳だったので0.05歳の延びとなっています。延びは女性のほうが緩やかだったとはいえ、相変わらず女性のほうが長生きとなっています。
昨年の平均余命を海外と比べると、男女ともに香港に世界1位の座を譲って2位となっていましたが、今年の平均余命によって、ランクが上がったのか(元のように1位に戻ったのか)、それとも2位のままなのかは別のデータの発表を待たなければなりません。
過去最高ということで気になる人が多いのは、どれくらいの勢いで平均余命が延びたかということでしょう。平均余命が初めて発表されたのは1947年(昭和22年)で、第二次世界大戦の終戦から2年後のことですが、そのときには男性が50.06歳、女性が53.96歳でした。いわゆる先進国の中では下位にあったところから、一気に寿命を延ばしていったのは食事環境が大きく変わって健康面で条件がよくなったからです。
平均余命と同時に発表されたデータに死因別死亡確率があります。人間は、どんなに頑張ったとしても、いずれは何かの死因で死亡することになるわけですが、平均余命の表(生命表)の上で、ある年齢の人が将来、どの死因で死亡するかを計算して確率の形で表したものです。平成30年の死因別脂肪確率は0歳では男女ともに悪性新生物(腫瘍)が最も高く、次いで男性では心疾患、肺炎、脳血管疾患、女性では心疾患、脳血管疾患、肺炎の順となっています。