「目は口ほどにものを言う」というのは、自分の気持ちを伝えるには口に出して言うよりも情のある眼差しのほうが、はるかに相手の心に訴えるものがあるという意味で使われます。このことは世界に通じることとされています。
目の表情は気持ちを伝えるには重要なことだとされているものの、目の表情が見えにくいサングラスをかけている人と対峙していても、それほど不安を感じることがないのは目以外に現れる表情を見抜くことができるからだ、というのが欧米の感覚です。これは微表情の研究にも繋がっています。
日本人は目の表情を重視するところがあるため、それ以外に現れる表情は馴染みがない人が多く、微表情について説明されてもわかりにくいところがあります。そのために、相手の心の中が見抜きにくく、これが人間関係の失敗にもつながりかねません。
このことは従来は、あまり気にされることはなかったのですが、急に注目度が高まることがありました。それは3年間にも渡って継続したコロナ禍のことで、マスクによって口元が見えないことの結果でした。
目の表情を重視する日本人にとっては、サングラスは不安感を与えるものとなっています。サングラスは目の表情が見えないために不安感を与えるということから、日本では警察官は長らくサングラスをかけずにきました。
それは夏場の強い日差しの時期が長くなり、しかも以前に増して強い紫外線を浴びる環境になってきたことから、サングラスの着用が徐々に広まってきました。日本では、まだ夏場の対策であって、当たり前のこととして受け入れられるのは、まだまだ先のこととなります。
この目の表情といっても、眼球や瞳孔だけのことではなくて、目の周りの筋肉の動きに現れる微表情も含めて判断がされています。そのことに気づくと、目の周りと口元、その間の鼻の周りの動きもわかるようになります。
サングラスによって目の周りの表情がわからないことは、他の表情に頼るしかなくなり、これが微表情の研究へとつながっていったということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕