微表情6 防御が嘘をつかせる

嘘をつくのは、さまざまな気持ちが関係していますが、防御本能が最も強く、隠そうとしていることや本心が現れるのを隠そうとして、さらに嘘を重ねることがあります。

そういった変化を具体的に見せてくれたのは、アメリカのテレビドラマ「Lie to Me」です。邦題は「ライ・トゥ・ミー 嘘は真実を語る」です。DVDのタイトルは「「ライ・トゥ・ミー 嘘の真実」でした。

DVD版では43分番組が全48話で、さまざまな嘘の例が示されていましたが、モデルになったのは微表情研究の第一人者とされるアメリカの心理学者のポール・エクマン博士です。

書籍では『表情分析入門・表情に隠された意味を探る』、『顔は口ほどに嘘をつく』、『暴かれる嘘・虚偽を見破る対人学』が日本で発行されています。

嘘をつくのは防御反応の表れであって、嘘をつくつもりでなくても自然と表れるもので、表向きは歓迎の意向を示していても、恐れや恐怖などの気持ちが高まってきて、それが微表情として見えることがあります。

微表情研究では、表情は文化や人類には関係なく表れるということが基本となっていますが、日本人は以前から「表情の変化が少ない」「顔から気持ちがわからない」と言われ、これは能面に喩えられることもありました。

日本人は表情筋が動きにくく、日本人に限っては通じないのではないかとの指摘もありました。そこで日本人を対象とした研究も進められてきました。この結果については、次回に紹介します。

表情筋が動きにくいのは事実で、微表情を見抜くためには関係性や背景なども加味して観察していく必要があります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕