心疾患リスクのタイプAとタイプBの違いとは

心疾患のリスクというと、高血圧、糖尿病、脂質異常症など血管に影響を与える生活習慣病があげられます。これらの生活習慣病の発症は、「生活習慣」と名づけられているくらいだけに、食事や運動の内容に大きく左右されています。血圧を上昇させる作用がある塩分(ナトリウム)の取りすぎ、血糖値を上昇させる作用がある糖分(ブドウ糖)の取りすぎ、中性脂肪値を上昇させる脂肪の取りすぎなどが具体的な注意点となっているわけですが、心疾患に影響を与えているものに、もう一つ性格があげられます。よく言われるのが“タイプA人間”です。タイプA人間というのは、せっかちで行動的、イライラしやすくいタイプで、このAはアクレッシブ(Aggressive)の頭文字から来ています。
これに対して、おっとり、のんびりしていて、競争心が弱い性格の人は“タイプB人間”と呼ばれています。
「Bは何の頭文字ですか」という質問がテレビのディレクターからありました。Aに意味があるなら、Bにも意味があるのだろうという考えですが、Bは特に何かの言葉の頭文字ではありません。タイプAと比較するということでBが使われただけです。
タイプA人間は、あまり競争心を起こさず、自分の性格を抑えるようにしたほうが心疾患である心筋梗塞や心不全などを起こしにくくなり、健康寿命を延ばせるというような番組にしたかったようですが、それに当方の返答は水を差してしまいました。というのは、タイプA人間よりも、もっと心疾患のリスクが高い人たちがいて、それは性格の特徴を抑え、我慢をして過ごしている“隠れタイプA人間”と呼ばれる人たちだからです。
言いたいことを言い、思った通りに行動ができていれば、たとえ周りの反発があったとしてもストレスはたまりにくいものです。ところが、言いたいのに我慢をする、やりたいのに我慢をするということを続けていると、ストレスがジワジワと溜まっていきます。いわゆる「我慢は心臓に悪い」という状態になっていくので、かえって悪い結果となりかねないのです。