考えや気持ちがまとまらなくなるのは誰しもあることかもしれませんが、その状態が継続して生活や人間関係に支障が出る状態は統合失調症と指摘されます。これは精神疾患の一つで、100人に1人はかかるとされる、それほど珍しい疾患ではありません。
治療法も確立されていますが、治ったと診断されても再び発症することもあり、普段は問題がなくても何かの拍子に“顔を出す”ことがあります。何かの拍子というのは、精神的にダメージを与えるようなことだけでなくて、疲れている、疲れに気づかないまま習慣的に行動する、周囲に影響されて行動に拍車がかかるといったことでも起こります。
いわゆる疾患の状態ではないとしても、性格的に考えにまとまりがないままに行動する人は、重要なことであっても平気で破ることがあります。平気で、というのは約束を破ることに罪悪感を感じつつも行動を起こすというよりも、罪悪感を感じていない、本人としてもよいことをしていると思って、周囲に迷惑をかけていることがあります。
本人は悪いことをしていない、自分の考えに基づいて行動していると主張することがあるのですが、その主張によって約束が破られた、重要な関係であったはずなのに後回しにされた、金銭的な例では請求した金額を下回る支払いしかしていないのに充分な支払いをしていると思っている(信じ込んでいる)ということも、よくあることです。
忘れようとして忘れているわけではなくても、忘れてしまい、忘れたことも忘れるようなこともあって、もう付き合わないようにしようと思っていたところが、急に元の状態に戻ってくることがあります。
これこそが考えや気持ちがまとまらない人の特徴で、まとまらないから、たまたま戻ってくることもあれば、また離れることもあります。そういった行動に対して付き合いにくいと感じて距離を置くと、それに対して反発をしてくることもあります。
統合失調症や、その傾向がなくても、統合失調症的行動をする人は増えてきていて、自分の根幹が揺れ動く人、周囲に合わせようとするとプレッシャーがかかることから、周囲を驚かせるような行動をしてしまう人を見る機会が増えてきました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕