忘れる脳力15 「注意欠陥・多動性障害」的行動1

注意欠陥・多動性障害は発達障害の一つですが、発達障害は調査のたびに発現数が増えていて、発達障害とグレーゾーンだけでなく、定型発達と判定された子どもであっても、詳細にみると異なる判定がされていることも少なくありません。

それだけに今回のテーマにある「的行動」なのか、注意欠陥・多動性障害なのかもわかりにくいのが実際のところです。

文部科学省の調査によると、通常教育を受けている子どものうち発達障害の可能性がある小中学生は8.8%と発表されています。これは知的発達に遅れはないものの学習面や行動面に著しい困難を示すと担任が回答した児童で、担任の主観に基づく調査結果となっています。

これに特別支援学級・学校に通う子ども、未判定の子どもも合わせると10%を超えているというのは納得ができる数です。

発達障害が疑われている約68万人の子どものうち、自閉症スペクトラム障害は約27万人、注意欠陥・多動性障害は約9万人、学習障害は約49万人の割合です。

注意欠陥・多動性障害(ADHD:Attention-deficit hyperactivity disorder)は、「不注意」「多動性」「衝動性」の3つが特徴的で、身の回りの特定のものに意識を集中させる脳の働きである注意力に問題があり、衝動的で落ち着きのない行動によって生活上の困難に直面している状態を指します。

発達年齢に見合わない多動・衝動性、あるいは不注意、その両方の症状が7歳までに現れ、その対応別の症状の程度によって、多動・衝動性優勢型、不注意優勢型、混合型に分類されます。

学童期の子どもには3〜7%存在し、男子は女子より数倍多いと報告されています。男性の発現率は青年期には低くなるのに対して、女性の発現率は年齢を重ねても変化しないと報告されています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕