忘れる脳力18 自分は正しい症候群その1「利得型」

周囲から見ると、絶対に間違っていると考えられることなのに、間違っていると指摘された人の中には、「なぜ批判されなければならないのか」と本気で考えている人もいます。別に居直っているわけではなくて、批判の意味がわかっていなくて、「自分は被害者」と考えています。

世間の目は「被害者どころか加害者そのもの」と感じていても、それが通じないことを平気でやってしまうのは“自分は正しい症候群”と呼ばれています。そのような人に、「あなたは正しくはない」と言い、その発言の根拠を話したとしても、まったく通じません。

自分は正しい症候群の人は、自分の利益が大切で、それを守り続けることが正義となっています。自分は世の中に必要で、自分の行動は世間に役立っていると信じて疑わないだけに、周囲からの声は正義を潰そうとする悪でしかない、という反応がほとんどです。

これは自分は正しい症候群の中でも利得型と呼ばれるタイプで、ヒュブリス症候群と呼ばれることもあります。ヒュブリス(Hubris)は傲慢を意味していて、権力のある立場の人が、自分自身や自分の能力を過大解釈して、自己のイメージを過度に膨らませて、過大な自尊心や自信を持つことです。

原点のギリシャ語では、単なる傲慢さではなく、破壊へと導く現実を無視した過剰な驕りや野心を指しています。

自分が正しいという考え方を変える気はなくて、そのようなことをすれば自分を否定することになると信じて疑わない人です。やったこと、やってきたことは時代によって評価が異なるのは過去の歴史を見ると明らかであるのに、そこに気づいていないということです。

その自分を否定するようなことを求めてくるのは悪であり、常に悪いのは相手という考えが変えられません。

そういった人から聞かれることに「意図的な報道」という言葉があり、それは総理大臣経験者の何人からも発せられてきました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕