忘れる脳力21 些細な費用の扱い

忘れてもよいような些細なことが、なかなか忘れられず、それが記憶の脳力を余計に使うことになったり、新たに覚えなければいけないことを記憶に刻み込むときに邪魔をすることもあります。

あまりに小さなことで、そのときには何とも思っていなくてスルーしたはずのことを、後になって何度も思い出すことがあります。このようなことは一番に忘れなければならないことだと思うものの、また思い出して嫌な思いをさせられることもあります。

記憶に残しておいたほうがよいことなのかもしれないから忘れられないことだとしたら、書くことによって忘れることができるかもしれない、ということで、非常につまらないことを書き記します。

それは地方創生で、いくつかの地域を回ったときのこと、予算を出してくれた自治体の職員の食事代に関わることです。地方創生のモニターツアーで自治体内の観光地を回ると、食事時間になることもあります。その食事代は自治体の職員の場合は、職務の一環であるので自腹が原則です。

ところが、どこの自治体でも職員から「後でまとめて支払うので」と言われるのですが、支払われることはありませんでした。自治体からの予算で動いているので、代わりに支払うことは“賄賂”とは言わないものの、抜けがあってはいけないことです。

私が請求をしないので、私の代わりに職員に、そのことを伝えに行った人がいたのですが、そのようなことをするとトラブルのもとというのが、関わってきた自治体の“常識”でした。

世の中には“役得”という言葉があって、住民のために働き、余計な利益を求めないはずの自治体職員に気を使って、少しくらいの損は当たり前に受け入れるということは、それこそ役人と仕事をする人の常識ともなっています。

通常の食事代などは、忘れてしまってよいことで、忘れる能力を発揮することもないことですが、そんな常識を捨てられない人もいるので、そんな人とは仕事をしない、そんな自治体の人がいたことも忘れるのが当たり前と思いたいものです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕