認知症は忘れやすくなるだけでなく、忘れたことも忘れるという状態で、高齢化率が高まっていくにつれて、認知症患者が増えていくのは当然と言われます。
厚生労働省の「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」の推計では、2020年の65歳以上の高齢者の認知症有病率は16.7%で、その数は約602万人であって、高齢者の6人に1人が認知症となる計算です。
認知症の検査をすると、完全に認知症とは診断できないものの、検査項目の一部が該当する、どれも病気のレベルには達していないものの、もう少しで達してしまうというような状態があり、これが軽度認知障害と呼ばれています。
軽度認知障害(MCI:Mind Cognitive Impairment)は厚生労働省研究班によって認知症の前段階として位置づけられ、従来の認知症の診断基準に示された項目を満たすようになった段階では、もはや早期とはいえないと指摘されています。
軽度認知障害と認知症は特定の疾患ではなく、認知機能低下症状におけるステージや状態を示すもので、潜在的な疾病、疾患や身体状態が引き金になるとされています。
認知症と軽度認知障害の患者は高齢化が進む我が国においては増え続ける一方で、2025年には認知症患者は700万人、軽度認知障害は600万人を超えると推定されています。これ以降の推定値は発表されていないのですが、来年の出来事です。
2025年の65歳以上の推定人口は3657万人であって、認知症患者と軽度認知障害患者を合わせた1300万人は高齢者の2.8人に1人の割合にもなります。高齢者のうち後期高齢者のほうが前期高齢者を超えたのは2018年で、それから6年も経過しているので、さらに増えることは普通に考えられることです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕