自律神経の乱れによる影響は、それぞれの人の弱い部分に現れやすく、腸が弱い人や腸に負担がかかっている人は、便秘や下痢を起こしやすくなります。また、腸内環境を整えるために食事の改善や生活法の改善に取り組んでも効果が現れにくくなっています。
交感神経は消化液の分泌を抑え、副交感神経は消化液の分泌を盛んにします。腸の蠕動運動を起こしている筋肉は交感神経によって動きがゆるやかになるために便秘になりやすく、交感神経は腸の筋肉の動きを盛んにするので便通をよくする作用があります。
もともと腸の働きがよくない人の場合には、副交感神経の働きが盛んになると腸の筋肉による蠕動運動が盛んになりすぎて下痢になりやすくなることもあります。
また、交感神経には排泄を抑制する作用があり、逆に副交感神経には排泄を促進する作用があります。
自律神経の調整は難しいとされていますが、外からのアプローチで一つだけコントロールが可能となっているのは温度の変化です。入浴の場合には38℃以下のお湯の温度では副交感神経の働きが盛んになって心身ともにリラックスさせることができます。
それに対して、42℃以上の温度では交感神経の働きが盛んになって興奮する状態になっていきます。
夕食の時間帯は副交感神経の働きが盛んになっていますが、夕食前に、ぬるめのお湯で入浴すると副交感神経の働きがもっと盛んになります。
この状態で食事をすると、胃液とインスリンが多く分泌されて、消化がよくなり、吸収もよくなり、さらにインスリンの働きによって肝臓で合成される中性脂肪が多くなるため、栄養を多く蓄えられるようになります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕