快腸デザイン17 プレバイオティクス

腸内環境を整えるためのプレバイオティクス(probiotics)は、プロバイオティクスが働きやすい環境に整える役目をするものです。糖質や乳製品などの善玉菌の栄養源(エサ)や食物繊維などが、それに該当します。

腸内細菌の善玉菌を増やすものの代表は、ビフィズス菌を増やす作用があるオリゴ糖です。オリゴ糖は単糖(ブドウ糖や果糖)が2〜10個つながった構造となっています。

オリゴ糖には、ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、乳果オリゴ糖、キシロオリゴ糖、イソマルオリゴ糖、ラフィニース、ラクチュロース、コーヒー豆マンノオリゴ糖、グルコン酸などがあります。

ビフィズス菌には種類があり、1種類のオリゴ糖が、すべてのビフィズス菌に適合するとは限らないことから、複数のオリゴ糖を摂るべきだとされます。

こういったプレバイオティクスを摂ることによって、善玉菌の増殖が促進された結果として整腸作用、ミネラル吸収促進作用、炎症性腸疾患の予防・改善作用など有益な効果が認められています。

〔プレバイオティクス作用のある素材〕
◎オリゴ糖
消化酵素によって分解されず、大腸内でビフィズス菌などの善玉菌の栄養源になる難消化性の糖です。オリゴは「少ない」の意味で、最小単位の単糖が2~20個、鎖状に結合したものです。代表的なオリゴ糖にはフラクトオリゴ糖(アスパラガス、ニンニクなど)、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖(母乳や牛の初乳)、キシロオリゴ糖(食物繊維を発酵させた難消化性オリゴ糖)などがあります。腸内細菌の善玉菌の代表であるビフィズス菌の増殖のほか、便秘や下痢の改善、たんぱく質の消化吸収の促進、ミネラルの吸収の促進、脂質代謝の改善などの作用があります。

◎フェカリス菌
菌体が小さい乳酸菌の一種で、乳酸菌の中でも球形のため乳酸球菌に分類されています。乳酸菌は生菌が食品などに添加されますが、フェカリス菌は過熱殺菌処理した死菌となっています。フェカリス菌は死菌で摂ると腸内細菌の善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やすほか、免疫力の向上、コレステロール低下、血圧降下、抗アレルギー、美肌作用などが確認されています。サイズは1μm(1㎜の1000分の1)と通常の乳酸菌の5分の1ほどで、少量で大量の菌を摂ることができます。

◎サイリウム
インドや地中海地域で栽培されているオオバコ科の植物で、種子の半透明の膜に水溶性と不溶性の食物繊維が豊富に含まれています。善玉菌を増やす作用があるほか、水を吸収して固形になって有害物質や不要な物質を吸着して排出させる作用があります。便通の促進、血糖値の抑制、コレステロールの抑制などの効果があります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕