快腸デザイン19 腸内環境と免疫の関係

便通がよくないと免疫が低下することが知られています。その最大の理由として考えられているのは、腸内細菌の悪玉菌が作り出す毒素(有害物質)の影響です。

悪玉菌が毒素を作り出すということですが、それとは別の表現があって、人間の身体に良くないものを作り出すのが悪玉菌、良いものを作り出すのが善玉菌とされています。

善玉菌も悪玉菌も細菌としてやっていることは同じで、栄養源を取り入れて、内部で代謝を起こして、その結果として不要となったものを外部に排出しています。その排出されたものがアルカリ性であり、有害性がある物質である場合は、悪玉菌とされています。

悪玉菌は腐敗をさせる菌でもあって、悪玉菌が多くなるほど毒素も増えていきます。

毒素は大腸で増えていきますが、大腸からは水分が吸収されています。大腸から水分が吸収されることによって、便は適度な硬さと量になります。水分が吸収されるときには、毒素も一緒に吸収されて血液中に入ります。

血液中に入った毒素は肝臓まで運ばれていって、肝臓で解毒されます。肝臓で完全に解毒されていれば血液中の毒素はなくなることになるのですが、毒素が多くなりすぎると血液中に入って全身を回ることになります。

この毒素は免疫細胞の白血球やリンパ球が攻撃して処理をしていきます。処理する毒素が多くなると、それだけ免疫細胞が使われることになり、免疫が低下していくことになります。そのために、がんや病原菌と戦う力が弱まってしまいます。

腸内細菌の数は、ほぼ決まっていて、善玉菌が増えると悪玉菌の数は減っていきます。免疫を維持するためには、善玉菌を増やすことが大切で、善玉菌の栄養源(エサ)となる糖質や食物繊維を多く摂り、善玉菌が増えやすいように腸を温めることが便通をよくすることにつながります。

食物繊維は2種類あって、野菜や根菜類などに多く含まれる不溶性食物繊維は腸壁を刺激して腸の蠕動運動を盛んにします。きのこや海藻類などに多く含まれる水溶性食物繊維は便を柔らかくして通過しやすくさせます。

ということで、両方の食物繊維を摂ることが便通をよくして、最終的に免疫を高めることにつながるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕