快腸デザイン3 「腸は第二の脳」と呼ばれる理由

「腸は第二の脳」と呼ばれます。

その一つの理由は、前回(快腸デザイン2)説明した“腸脳相関”に関することで、脳神経で使われる神経伝達物質のセロトニンの90%ほどが腸内で作られています。腸の働きがよいことは、セロトニンの量が多くなると神経伝達がスムーズになり、脳の機能が高まることになるからです。

もう一つの理由は、人間が誕生するときに胎内で受精卵が成長していく過程から説明されています。受精卵から動物の身体へと変化していくときに、初めに発生するのは腸です。腸から始まり、胃、食道などの消化管が形づくられていきます。

この消化管の先に発生するのが脳です、そのことから腸には数多くの神経細胞が集まっていて、身体の中心部分を通っている臓器や器官ともつながっています。腸の状態がよくないと臓器などの働きにも出てくるのです。

脳は全身をコントロールしていると言われますが、腸も全身の臓器や器官などのコントロールに影響を与えることになります。また、感情にも深く関わっていて、腸の不調は感情にも影響を与え、脳のストレスが腸の働きも低下させる上に、腸以外の働きにも関わってくるようになるのです。

便秘や下痢、腹痛はストレスが起こすのは、よく知られていることです。強いストレスによって便秘、下痢、腹痛が慢性化する過敏性腸症候群は、腸と脳が互いに影響を与える代表的な疾患とされています。

腸内細菌は善玉菌、悪玉菌、日和見菌に大きく分けられますが、このバランスがよくないと腸の状態や疾患だけでなく、うつ病、パーキンソン病、アルツハイマー病などの脳の病気(中枢神経系疾患)の発症、予防とも関係していることが最新の研究で明らかにされています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕