腸内細菌は善玉菌、悪玉菌、日和見菌に大きく分けられます。善玉菌と悪玉菌は比較的理解しやすいのに対して、日和見菌の役割は案外と知られていないところがあります。日和見は、有利なほうにつこう(味方しよう)とすることを指している用語で、形勢をうかがうことを意味しています。
その用語そのままの働きをするのが日和見菌で、腸内環境によって働きが変わってくることが知られています。
そのような説明をされることが多いことから、善玉菌が増えて酸性度が高い環境になると、日和見菌も善玉菌の働きをするようになり、悪玉菌が減るために善玉菌が優位になると考えられています。
それとは逆に、悪玉菌が増えてアルカリ性傾向の環境になると、日和見菌も悪玉菌の役割をするようになり、善玉菌が減るので悪玉菌が優位になっていくと考えられています。この働きのほうが、実際にはよく見られることです。
日和見菌は腸内環境が健康な状態のときには大人しくしていますが、悪玉菌が増えて腸内環境が悪化したときには、腸内で悪玉菌のような働きをして、日和見菌感染症を起こすこともあります。
日和見菌の種類としては、バクテロイデス、無毒株の大腸菌、連鎖球菌などがあります。これらの菌によって健康被害が起こったとすると、それは腸内環境が悪化していることが考えられます。
腸内環境がよい状態では、「善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7」の割合とされています。日和見菌が70%を占めるということは、悪玉菌が優勢になると日和見菌が悪玉菌の役割をするようになり、ほとんどが悪玉菌というような状態になるため、善玉菌を増やすことが重要になります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕