感染拡大から考える「まごわやさしい」

新型コロナウイルスの感染拡大で学校が休校になり、外出自粛から子どもも親も家庭で食事をする機会が増えています。健康の維持に必要な食事と、できれば避けたい食事については以前から、いろいろな標語を用いて紹介されてきました。その中でも有名なのは「おかあさんはやすめ」で、これは、できれば避けたい料理とされていますが、子どもが好きなものなので、どうしても増えやすいメニューでもあります。
「お」はオムライム、「か」はカレーライス、「あ」はアイスクリーム、「さん」はサンドイッチ、「は」はハンバーグ、「や」は焼きそば、「す」はスパゲッティー、「め」は目玉焼きとなります。母親には手間暇をかけた料理を作ってもらいたいということから「おかあさんはやすめ」は誕生した言葉ですが、家庭内も緊急事態なので、今は仕方がないところです。
これに対して、食卓に増やしてほしい食材も標語として示されています。それは「まごわやさしい」です。「ま」は豆、「ご」はごま、「わ」はわかめで、これは海藻を指しています。「や」は野菜、「さ」は魚、「し」はしいたけで、きのこ類を指しています。「い」は芋となります。「まごわやさしい」は、まさに優しい気持ちにさせられるような標語ですが、意識をしないと食べる機会が減る食材です。
これらの食品にはビタミンとミネラル、食物繊維が多く含まれています。食物繊維というと、野菜が注目されていますが、これは不溶性食物繊維のことで、他には豆類、種類、根菜類に含まれていて、「ま」「ご」「い」が該当しています。不溶性食物繊維は水には溶けず、変化もしないで腸を通過していきます。もう一つの水溶性食物繊維は水を吸って膨らむ性質があり、海藻ときのこ類に多く含まれていて、「わ」と「し」に該当します。不溶性食物繊維は腸壁を刺激して蠕動運動を進めるものの、便を硬くする作用があります。それに対して水溶性食物繊維には便を軟らかくする作用があるので、両方の食物繊維が必要となります。