感染拡大から考えるひきこもり

新型コロナウイルスの蔓延対策として、小学校、中学校、高校、特別支援学校までが一斉に臨時休校とすることが要請されました。そして、公共施設や感染のリスクが高い場所への出入りはできなくなり、家庭内にいるように実質的に指示をされています。家庭に父兄がいないために、子どもだけで長時間を過ごすということが起こっています。そのドタバタの報道が先立って、家庭内に閉じ込められている子どもが、どうなるのかということについての対策は後回しになっています。
強制ではなくて要請とはいうものの、これでは官制のひきこもり状態が作り出されているようなもので、家庭内でやることがなくて、ゲームやSNSなどにかける時間が長くなってしまいます。これが本当のひきこもりを引き起こすようなことにならないかという心配がされています。
内閣府から、これは大人の場合ではあるものの、ひきこもりの人の30%ほどが発達障害であったとの報告がされています。子どもの10%ほどが発達障害であるとの推定があるので、3%ほどが何かのきっかけがあれば、ひきこもりになってしまう可能性があるということです。
ひきこもりは発達障害だけが原因ではないことは承知していますが、発達障害児のリスクが高いことは間違いありません。それだけに発達障害について理解して、発達障害児のことを考慮した対応を打ち出してほしいところなのですが、現場を考慮しない、現場のことを知らない要請であったということを言われても仕方がないことです。
ひきこもりのきっかけにならないように、ゲームやネットなどに注意をしても、これまでにも親に隠れて熱中している子どもは当然のようにしていたので、どこまで注意をしても家に閉じこもって親の指示や期待を裏切ってしまうのも仕方がないことです。こういったことも考えに入れて、一斉休校が解除されたときには子どもたちの状態を把握して、対策を練ることが必要で、当然のように、このことも配慮しての一斉休校の要請であったと信じたい気持ちです。