消費税が8%から10%に増税になることに合わせて、◯◯Payが注目され、クレジットカードでの支払いでポイント還元される制度がスタートして、これがキャッシュレス決済を普及させることになると期待されました。もう一つの期待としてあげられているのは、この時期に不謹慎とも言われかねないかもしれない新型コロナウイルスの感染防止の効果による普及拡大です。
現金を通じて新型コロナウイルスが感染するという話の真偽は他に譲るとして、レジ前で並んでいる時間、レジでの精算にかかる時間が長くなるほど感染リスクは高まります。一部のコンビニなどのようにカウンターを隔てるビニールを設置するというのは、どこでもできることではなく、レジが並んでいる大型スーパーマーケットでは不可能なことです。キャッシュレス決済なら瞬時に支払いが済ませられるので、感染リスクということでは安心感が高まります。
いつもニコニコ現金払いは、匿名性が重要で、「お金には名前が書かれていない」と言われたり、「使い道も示されていない」と言われることがあります。それに対して、キャッシュレス決済は◯◯Payでもクレジットカードでもスマホ決済でも、どこの誰かが明らかになっているので、匿名性は維持されません。素性を明らかにしてお金を使わなければならないとなると、それを躊躇する人も出てくるはずです。
スマホデータはビッグデータそのもので、新型コロナウイルス感染拡大防止のために外出自粛が要請されたときに、スマホを保持している人の行動の変化が示されていました。ビッグデータでは誰が何を購入したかはわからないものの、どれだけ金を使ったかはわかります。場合によっては何を買ったのかもわかって、これを活用すれば、性別や年齢、行動範囲による購入動向も知ることができます。
それは社会のために役立つということは承知していても快く思わない人も少なくはありません。また、ひょっとすると個人情報も流れているのではないか、それを知るためのキャッシュレス決済ではないのかと穿った考えをする人もいます。