感染拡大から考えるマスク着用

新型コロナウイルスの感染が広がっていく中で、マスクの感染防止の有効性については否定的な意見が多く、自分のウイルスを拡散させないための効果で終わることが語られてきました。効果がないと言いつつも、一斉休校した学校を再開するに当たってのガイドラインには児童・生徒のマスク着用が記載されました。マスクを欲しくても購入できないという現状に対して、1世帯につき2枚のマスクを郵送で配布するとの発表が政府からありました。首相が最初に着用していたのはガーゼマスクで、学校給食用かとのツッコミもありましたが、これで少なくとも子どもの通学用だけは最低限であっても確保されることになります。
マスク着用は感染をさせないためのものということで、咳やくしゃみをしたときに、上下からも横からも飛沫が漏れないようにする形が必要です。ガーゼマスクはノーズパッドがないものがほとんどで、横も伸びやすいので、左右から漏れる心配があります。不燃布の使い捨てのマスクならフィットして漏れにくい構造ではあるものの、それは正しく装着した場合のことです。正しく装着できていないと左右から漏れてしまいます。
使い捨てマスクは、耳にかける紐が取り付けられているほうが外側です。それなのに、紐が取り付けられているほうを内側にしている人がいます。いるどころから、街中でもテレビでも半分は表裏が逆の人を多く見ます。外側に紐が取り付けられていると、この紐でマスクの端を押さえて、フィットするようになっています。裏返しだと、この機能が失われるだけでなく、端が浮いた形になって漏れるルートができてしまいます。
医療関係者が使用するサージカルマスクは色で表裏が決まっているので、間違いにくくなっています。そのために紐が内側に取り付けられているものであってもフィットするようになっています。立体構造のマスクは装着する方向が明らかなので、紐の位置は関係なしにフィットします。医療関係者が内側に紐がついた状態で使っているのを見ると、それを真似てつけてしまいがちですが、プロ用と一般用は同じではないので、そこは確認しておく必要があるのです。