新型コロナウイルスの感染拡大は不要不急の外出を減らすことが重要であるという報道がされてから、そのシンボルとなる場所として渋谷のスクランブル交差点が毎日テレビ画面に映し出されています。渋谷駅からスクランブル交差点を渡りきったところにあるのがTSUTAYAの旗艦店です。これを目にするたびにレンタルDVDと書籍販売の、これからを不安に感じます。外出自粛で自宅にいる時間が長くなるほどレンタルDVDも書籍も多く出るようになり、初期段階では利益が上がります。TSUTAYAというとレンタルDVDのイメージが強いかもしれませんが、DVDも書籍も販売しています。
レンタルDVDは消毒液を用いて衛生対策がされています。DVDから感染することがないようにしているということですが、それは中身のDVDのことで、パッケージは誰が触れたものかわかりません。レンタル前にパッケージを消毒したとしても、その後に触れた人によって感染する可能性もあります。販売のDVDならパッケージが包まれているので、これを取り去れば感染する心配は極めて低くなります。感染者が接触したレンタルDVDのパッケージをレジに持っていく前に、借りようとしている人に感染することもないとは言えません。
レンタルDVDはメーカーに大量に製作してもらい、大量に貸し出すことでメーカーは1つあたりの価格を低く抑えても利益が得られるという仕組みで儲けています。今は新型コロナウイルスの感染拡大によってレンタルDVD業界が大きく低迷することはないとしても、感染への恐れから衛生面の重視とレンタルの便利さを天秤にかけて、その価値観が変化すると現状の儲かるシステムが、ずっと継続するかはわからないということです。
プラスチックに比べたら紙では長くウイルスが生き残らないといっても、書籍や雑誌のツルツルした面にはウイルスは残ります。書店で書籍や雑誌を手にすると、そこにはウイルスも細菌も付着します。それを別の人が触れるというのが書店での販売の宿命です。このことから考えても、いつまで書籍の販売が同じシステムでもよいのかという疑問が湧いてきます。