感染拡大から考えるロックダウン

新型コロナウイルスの感染がイタリアやスペインのように急速に拡大するオーバーシュートになってしまったら都市封鎖をするロックダウンが避けられないということを東京都知事が発表してから、実際に何が起こるのかを想像するだけでも恐ろしい気分になります。陸路の封鎖なら東京都と接している千葉、埼玉、神奈川、山梨の4県との境にある道路や橋を封鎖することによって県境を超える1日に270万人をシャットアウトすることができます。高速道路は東京都側の初めての料金所を封鎖したら流入を防ぐことができます。在来線でも東京都側の初めての駅を封鎖すれば流入を防ぐことができます。
高速道路から出ることができない自動車は引き返すことができます。駅の改札を通過できないなら反対方向の電車(下り)に乗って引き返すということで流入させないことはできます。しかし、これが新幹線となると、大量に品川駅と東京駅に押しかける乗客を駅構内に閉じ込めて、下りの新幹線に乗せて帰すということをしようにも、ほとんどの座席が指定席で埋まっている状態では、立ったままの乗車だったとしても乗り切れるものではありません。県境を越えて品川駅と東京駅から下車する人は1日に27万人を超えています。
羽田空港の利用者は1日に約23万人で、羽田空港に押し寄せる乗客を、帰りの飛行機に乗ってもらおうとしても、急にチケットが取れるわけではないので、羽田空港には到着した乗客が溜まっていく一方となります。いくら広い羽田空港のターミナルといっても処理できる人数ではありません。もちろん、首都が封鎖されたことを知っていたら、通常の新幹線と飛行機の乗客の数ではないことを承知はしているものの、どうやって流入を防げるのか具体策が見えてきません。
完全封鎖をするなら、東海道新幹線の場合は新横浜駅で降ろす、東北・新潟・長野方面からの新幹線なら大宮駅で降ろすという方法がないわけではありませんが、飛行機は途中で降りてもらうわけにはいかないので、結局は羽田空港行きは全便が欠航ということになるのでしょうか。