新型コロナウイルスの蔓延を懸念して、多くの人が集まるイベントの中止が相次いでいます。参加費やチケット代金の返金について主催者によって対応がまちまちで、スポーツイベントなどは返金されないのが原則です。中止となったときの保険は、保険の種類によって差はあるものの、災害や戦争などでの中止の場合には支払われるのに対して、感染症での中止では支払われません。開催当日だけでなく、準備段階から多くの金がかかっているので、保険がきかなければ参加費を支払った人などに対しては返金ができないということです。
なんだか損をした気分になってしまう人もいるかと思いますが、進んだ考え方をする国々では、大変なことになって困っている人に対して返金を求めるのはおかしい、返金する金があるのなら災害や感染に対応するために使ってほしいという福祉的な考え方をしています。これは先進国に共通する認識であるので、まだまだ日本は遅れているという報道も海外ではされています。
今回のように接触感染、飛沫感染があるウイルスの場合には、中止を決定した主催者に拍手を送るべきで、中止を当たり前のこととして受け入れた方々に対しても感謝の意が表されてしかるべきです。そして、マスクを買い求めに町中を回っても手に入らない状況では、家の中にいるようにして、マスクがなくて開院できない医療機関に回るようにマスクを増産してほしいと願うようなことがあってもよいはずです。
返金をしないことによって入金された金額と支払った金額に差が出て、余ったということなら、それを感染防止のための寄付に使ってもらうように、参加費を支払った人、チケットを購入した人が発言してもよいはずだと思うところです。しかし、行政が行うべきことをすべてしないで、イベントが中止になって楽しみにしていた人に迷惑をかけるようなことがあった場合には、こんな大きな気持ちで市民が対応することはできないということも、もちろん承知をしての発言です。