新型コロナウイルスの感染拡大の予防に直接的な効果があるのかということでは確信をもってすすめられないのかもしれないのですが、体温が上昇すると免疫力が高まるというデータがあり、たった1℃の上昇で6〜7倍にも高まるということが伝えられています。そのことからいうと免疫強化のためには体温を高める効果がある入浴は、できるだけ毎日続けたいものです。
とはいっても、入浴の温度によって効果が異なり、体温を上昇させればよいからといって、熱めのお湯に入ればよいというわけではありません。42℃以上のお湯に入ると、自律神経の交感神経の働きが盛んになり、脂肪の代謝が進んでダイエット効果は高まるというメリットがあるのですが、急に熱を身体の中に入れないようにするために皮膚が引き締まり、お湯の熱さにしてみると身体の温度が温まりにくくなります。
これに対して、38〜40℃のお湯は熱くは感じない温度帯ではあっても、お湯の温度がゆっくりと体内に浸透して、ジワジワと温めてくれます。この効果によって、温度の割には身体が温まり、いわゆる“芯から温まる” という状態になります。38℃以下の温度では自律神経の副交感神経の働きが盛んになり、血管の緊張が緩み、血管が拡張して、血流がよくなります。血液の温度は日本人の場合には38℃前後で、温かな血液が次々に送られてくることで全身が温められます。そのことから、低めの温度であっても身体を温めることができるのです。
38℃の温度での入浴では、身体が充分に温まるまでには10分ほどの時間がかかるので、いわゆる“烏の行水”のような入浴では、その効果が得られないことになります。10分と限らず、できるだけ長めに入浴することによって、身体が温まり、免疫を高めることができるようになります。
ということで、結論としては免疫を高める入浴法は、38℃程度のぬるめの温度で、10分以上つかって、芯から身体を温めるようにするということになります。