感染拡大から考える冷え対策による免疫向上

新型コロナウイルスに打ち勝つことができるかどうかは、免疫の強さに関係しています。ウイルスに感染しないようにするのと同時に、免疫を強化することがウイルスの脅威に対抗する第一の手段となっています。免疫を司っているのは免疫細胞です。免疫細胞は白血球とリンパ球に大きく分けられます。
免疫細胞は血液中、リンパ液中を流れてパトロールしています。そして、外敵を発見すると攻撃して無力化するように働きます。血流がスムーズであれば、それだけ免疫細胞が早く動くことができて、外敵を早く退治することができるようになります。血流が低下すると、一番の反応として起こるのは体温の低下です。血液の温度は、日本人の場合は37〜38℃で、温かな血液が次々と流れてくることで体温が保たれています。血流が低下すると体温も低下していきます。冷え性の人が手足の先の冷えを訴えるのは、末端の血管は血流が低下しやすく、放熱に血流による温度の補充が間に合わなくなるからです。
体温の低下は、免疫細胞の流れが遅れたための免疫低下につながります。
体温の低下が実際に、どれくらいの免疫力の低下につながるのかということについて研究が進められていて、体温が1℃低下すると免疫力は30%も低下するというのが定説となっています。免疫を低下させないためには血流を促進して身体を温めることが最も簡単な方法です。
入浴すれば身体が温まるといっても、入浴できる時間は限られています。運動によって血流をよくする方法があり、運動をしているときだけでなく、運動をしていない時間帯にも血流が盛んになります。運動をすると筋肉が刺激されて、増強した筋肉は多くのエネルギーを発生させることができます。筋肉が多いほど、体内で発生するエネルギー量が増えるのですが、発生したエネルギーのうち70%ほどは体熱の産生に使われています。エネルギーが多く作り出されるほど、身体が温まることになり、免疫力も高まっていくことになるわけです。