感染拡大から考える各日の感染者数の発表

新型コロナウイルスの感染がライブハウスで拡大、子どもは感染しないと言われていたのに幼児が陽性になった、7回検査を受けても陽性が確認できなかった、世界初のウイルス性髄膜炎が発見された、大型クルーズ船の乗客から死者が出た、感染者が医師・看護師・保育士という感染させやすい人、といったようにショッキングなニュースが続き、そちらが先に報道されるためか、それまで初めに報道されていた各日の陽性確認者の数が後回しになっています。後回しどころか、ニュースの時間が足りないためか各日の陽性確認者が報道されずに、全体の感染者数だけが発表されるという状態になっています。
大型クルーズ船での感染者の706人を日本の感染者に加えるのか加えないのか、その論議は今のところは置いておくとして、合計で1000人を超えたのは3月4日でした。3月2日から小学校、中学校、高等学校、特熱支援学校の臨時休校が実行されましたが、30人を超える感染者が毎日確認されて、1〜2週間の緊急対策によって拡大が抑えられるのかということが報道されてから、国民の関心は各日の感染者数の変化に向いたはずでした。
それに応えるのが報道の役割だと思うのですが、3月6日の55人、3月7日の44人を報道せずに合計数の1157人(3月7日)が伝えられました。さらに、3月8日には53人が新たに感染しました。計算すれば、どれくらい増えたのか簡単にわかるといっても、具体的な各日の数が報道で伝えられないとピンとこないという人も少なくないはずです。
各日の新たな感染者が30人を超えないことで拡大が抑えられた、30人を下回ると収束に向かっているという判断基準を示している専門家もいます。感染対策の効果が、まだ現れていないという批判を受けないためではないか、そのプレッシャーをメディアにかけていないのかという穿った考えをさせないように、各日の感染者数を一目でわかるグラフにして示すということはやってほしいのですが、どうなるのか見守ってほしいのです。