新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、食事の形にも影響が出ています。これまでも外食が減って、中食が増えてきている傾向はありました。一般には中食は「なかしょく」と呼ばれていますが、本来は「なかじき」と読んで、昼食を意味する言葉でした。昼食は家で食べる内食もあれば外(家庭外)で食べる外食もあるわけですが、中食(なかしょく)は家庭外で調理された食品を買って持ち帰るか配達によって家庭内で食べる形態を指しています。
新型コロナウイルスの濃厚接触は2m以内で30分程度の会話をすることを指していますが、外食として店内で食べると、一つのテーブルを挟んで食べる相席だけでなく、別のテーブルの人との距離が2m以上も離れているということは、あまりありません。飛沫感染のリスクを考えると、外食を避けたい気持ちになるのも理解できることです。新型コロナウイルスが発熱、咳という見分けやすい人からの感染に限られていれば、該当する人の入店を断るということもできるのでしょうが、感染していても症状がまったく見られずに他の人に感染させる可能性があるという特徴から、2m以内に感染者がいることを覚悟して店舗に足を踏み入れなければならないことにもなります。
ウイルスは生命体の細胞に寄生して生きていますが、短い時間なら唾液や粘液などとともに他の生命体に移動するという特徴があります。このために飛沫感染するわけですが、極めて短時間なら食べ物に付着して他の人から感染することもあります。例えば、どんなことなのかということを例示すると、回転寿司のように生物(なまもの)が次々に流れてきて、他人の口の前を通過したものを食べるような形態を指しています。新型コロナウイルスではないのですが、過去には濃厚ではなくて挨拶程度のキスでも感染すると言われたウイルスが、生物を通じて感染が広がったという事例もあります。
新型コロナウイルスは変異が疑われていて、今の段階では、どんな感染をするのか詳細はわかっていないだけに、外食の種類によってはリスクを感じて、客がつかないということがあるのも現状では仕方がないということです。そして、これが持ち帰りの中食を増やしています。持ち帰りは軽減税率の適用で2%分が安くつくということも影響しているようです。