感染拡大から考える感染の確率

命に関わる新型コロナウイルスと、その感染拡大防止のために営業自粛を強く求めないと感染クラスターになりかねないパチンコ店を並べて述べることが正しいことなのかと顰蹙を買うことは承知で、あえて感染拡大のためにパチンコの大当たりの確率から話を始めることとします。
パチンコの大当たりの確率は、福引きの確率と同じように勘違いされているところがあります。福引きのガラポンでは300個の中に1個だけ大当たり(特等)が入っている場合には、300回連続で自分1人がやり続ければ必ず当てることができます。300個の中からガラポンで1個ずつハズレが出るほど、あとで大当たりする確率は高まっていくことになります。たまたまの偶然で299回、大当たりが出なかったら最後の1回は間違いなく大当たりです。あとにやるほうが確率は高くなるといっても、先に大当たりを出されたら、その先は大当たりがないので、あとにやればよいというわけではなくなります。
パチンコの300分の1の確率で大当たりするというのは、福引きとはまったく違った仕組みです。福引きでハズレが出たら、その1個を元のガラポンの中に戻して、またガラガラと回していくことと同じです。300回やっても1回も当たりないことがあれば、初めの1回で当たることもあります。自分の前に座った人が299回やったところで諦めて席を立ったら、その席で始めた自分は必ず大当たりをするというわけではないのです。300個のポケットがあるルーレットに毎回チャレンジしているのと同じことになるわけです。
新型コロナウイルスの感染確率は、日本では検査数が極めて少ないので評価が難しいところですが、ある大学病院で感染症ではない入院者の感染率を調べたところ約6%であることがわかり、これが市中感染率ではないかと推定されています。今後、抗体検査が進んでいけば正しい感染確率は明らかになっていくはずです。1回の感染拡大で感染しなかったら、次の感染拡大のときには感染しないというものではないので、これもパチンコの確率と同じことになってしまいます。感染確率が低いからといってリスクが高いところに出かけてよいということではなくて、どれだけ注意をしても大当たりならぬ大ハズレになる危険性があるのが新型コロナウイルスの特性であるので、確率うんぬんよりも今は「ステイホーム」に徹するしかない、パチンコと同じように出かけないというのが正しいのではないでしょうか。