インフルエンザの季節といえば冬で、蔓延していたとしても春になると収束に向かっていくものです。そして、春のうちには終息する、期間が延びても夏までには終息するというのが通常のパターンです。ところが、新型コロナウイルスは気温が温まっても終息しないと考えられています。そのことについてはWHO(世界保健機関)も警告しています。
収束と終息は感染症で、よく使われる言葉で、メディアによっては誤った使い方をしているところもあります。収束は一旦落ち着くことで、終息は完全に終わることを指しています。それなのに「収束宣言」を使っていたメディアもありました。一旦落ち着いて、新型コロナウイルスの新たな感染者が減ってきたことを宣言されても仕方がないことで、完全に抑え込みに成功してから「終息宣言」をしてもらわなければ、あらぬ誤解を与えてしまうことになります。
そもそも新型コロナウイルスは暖冬の中で発生して、変異してきたもので、発生源の中国・武漢では、まだ寒い季節の発生確認ではあったものの、その後の日本での感染拡大は完全に暖冬の影響で寒い時期が極端に少なかったのに勢いよく拡大していることを見ても、暖かくなれば大丈夫とはいえないことがわかります。
東京2020オリンピックは暑さ対策が大問題で、特に暑さ対策が重要なマラソンと競歩は北海道で開催されることになったのですが、最も新型コロナウイルス感染者が多いのが北海道だということを気にかける人も少なくありません。暖かくなっても新型コロナウイルスが終息しないようだと、暑くなっても終息しない可能性もあります。NHKの世論調査では新型コロナウイルスのためにオリンピックが開催できない心配をしている人が最も多いことが発表されました。これは収束したとしても終息しないことを想定している人が、いかに多いかということを示しています。これまでの暖かくなればインフルエンザは終息するという常識が通じないことに気づいている人が多いことを示しているということです。