感染拡大から考える肥満対策

コロナ太りという言葉があります。もちろん、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにして生まれた言葉ですが、新型コロナウイルスの直接的な影響で太ってしまうということではありません。新型コロナウイルスの感染を避けるために外出自粛、自宅待機の状態が長く続くことで、運動不足になり、そのために太ってしまうということです。運動量が少なければ、その分のエネルギー量に相当するだけの食事量を少なくすれば一応は帳尻が合うような気がするものの、室内にいて特にすることがないと、どうしても食べ物に手が伸びてしまいがちです。
家の中にいて、個人的にできるテレワークの一つとして、お菓子づくりをして、撮影した画像を発信するということをして時間つぶしと社会貢献を実施した人もいました。撮影したあとのお菓子は、他の人にあげるなり、写真撮影が主な目的なので捨てるといった手段がないわけではないのですが、どうしてももったいないという気持ちが湧いてきて、食べ過ぎになるということもあります。
家の中にいて、食べる機会が増えるのなら、家の中にいてできる運動をするという方法があります。テレワーク活動の一環として運動の画像を投稿している人もいます。スポーツ選手の投稿も増えています。これまで、ここまでの数はなかったはずと思えるほど多くの運動画像が掲載されていますが、その多くは狭い室内でもできる筋肉トレーニングです。これを活用して筋肉をつけることで、エネルギー代謝を高めることができます。
1日に使うエネルギー量のうち70%ほどは生命維持のために使われる基礎代謝量で、そのうちの約70%は体温保持に使われています。基礎代謝の35〜38%は筋肉が使っているので、筋肉が増えればやせそうな気がします。しかし、筋肉トレーニングによって増えた筋肉は白筋で、白筋はブドウ糖をエネルギー源としています。減らしたいのは体脂肪で、脂肪細胞の中には中性脂肪として蓄積されています。
有酸素運動をすると中性脂肪が分解されて、燃焼しやすい脂肪酸が血液中に放出されます。脂肪酸を燃焼させてエネルギーを作り出しているのは赤筋で、赤筋は有酸素運動によって増やすことができます。有酸素運動によって効果的に脂肪を減らすためには、ウォーキングなどの有酸素運動によって赤筋を増やすしかない、ということです。