感染拡大から考える表示による効果の違い

新型コロナウイルスによる感染を防ぎたくてもマスクが不足している状態が続き、マスクを手作りしようという人が増えています。そのために市販店からガーゼも減っていて、すでに売り切れの店舗も増えています。感染防止にガーゼを使うなら、その種類を確認する必要があります。市販のガーゼには殺菌ガーゼと滅菌ガーゼがあります。
ネットでは、本当に必要な人のために滅菌ガーゼを買わないでほしいという情報が拡散しています。私たちも滅菌ガーゼを買わないように呼びかけていますが、理由は異なっています。殺菌ガーゼは細菌を破壊する効果がある成分が使われたものですが、滅菌ガーゼは封を開けたときに菌が増殖していない状態になっているもので、殺菌の効果はありません。
ウイルス感染を防ぐために除菌剤を購入している人もいますが、感染対策なら殺菌剤でなければなりません。殺菌は、その名のとおり菌を殺すもので、除菌は菌を除くものです。除くというのは、それ以上は繁殖しないということで、増殖を抑える効果ということになります。消毒剤は一定の菌をターゲットにしたもので、感染しない程度に菌を減らすことを意味しています。
今回の感染とは違う話ですが、防カビペイントというものがあります。これを塗っておけばカビが生えないと思いがちですが、実際の意味は容器のフタを開けたときにカビが増殖していないということで、壁に塗ることでカビが生えないようにするという意味ではないのです。建物に生えるカビは500種類もあるといいます。そのすべてに対応することはできないということです。
話は新型コロナウイルスに戻りますが、接触感染を防ぐなら殺菌剤や殺菌効果があるアルコールが必要で、殺菌アルコールがないときにアルコール度数が高い蒸留酒を手洗いや消毒に使うというのは、まったくの間違いです。しかし、今ではアルコール度数が高いスピリタス(96度)、アブサン(89度)、バルカン(88度)だけでなく、40度程度のウォッカやテキーラが売り切れているというのは実に妙なことになっています。