新型コロナウイルスの感染拡大の防止のためには、対面しての食事も避けるべきだということが、やっと言われるようになってきました。会話をしていないとしても、口を開けたときに唾液が外に出て、これが食べ物に付着します。その食べ物を他の人が食べることによって感染してしまうということです。このことは以前から入院患者の院内感染については言われてきたことで、給食から感染する危険を指しています。
対面をしていなくても、食事を作る人、配膳する人が感染していた場合には、接触感染、飛沫感染の危険性があります。病院では、それが起こらないように徹底的な安全対策をすることは可能です。危ないとしたら病棟まで運ばれた食事に、それを受け取りに来た人から感染することが考えられます。それを防ぐために、患者が取りに来ることを禁止している病院が大半です。
これに対して、対面ではなく、同じ方向を向いて座っている店舗でも、食事を通じて感染するリスクはあります。ウイルスの特性を考えると、生ものに付着したときには、それを食べた場合には他人のウイルスが体内に入ってくることになります。例えば、回転寿司の場合には、店内の客の前を生ものが通過してくるので、ウイルスが絶対に付着していないとは言えません。
そこまで考えたら、食べられなくなるものが増えてしまい、これを避けるためには食材を購入して、自宅で料理をするしかないということですが、生ものの魚や肉から絶対に感染しないという保証はありません。加熱するから大丈夫ではないか、という考え方をするかもしれませんが、生ものから感染した人が料理をして、出来上がった料理の食器に付着したら、これが感染源になります。
そこから考えを進めると、店舗で提供される食事はリスクだらけということになり、外食を避けようという気持ちを、どんどんと高めることにもなりかねません。だから、他人に感染させるリスクが高い人は新型コロナウイルスに感染していないかの検査をして、安全証明をした人が店舗に立ってほしいとも望むところですが、医師も看護師も検査が受けられていない状態では、このようなことは望むべくもないことです。