感染拡大から考えるSNS動画の紹介

新型コロナウイルスの感染拡大から活動ができない業種で、特に厳しいのは多くの観客を集めて舞台から発信する音楽や演劇、講演などです。新型コロナウイルスから閉鎖に初めに追い込まれたのはライブで、狭い密閉空間で声を発するということで、まさに3密の代表格としてメディアで盛んに取り上げられました。声を出すところではなく、むしろ静かに鑑賞するクラシック音楽も客席が詰まっているので、即座に公演中止となり、多くの音楽関係者、演劇関係者などが仕事を失いました。
聞きたくても聞くことができない人たちのためにということでSNS動画を使ったリモート活動が盛んに行われています。これによって閲覧の広告収入だけでなく、視聴を有料にしている例も見られますが、実際に発信している人たちに聞いてみると、「忘れられないため」という答えも返ってきます。存在を主張して、前と同じように開催できるようになったときのためのPR活動という側面もあるということです。
テレビの情報番組はリモート出演が当たり前になり、コメンテーターなどが他のところにいて番組に参加するのは最初のころは違和感があったものの、慣れてくると、わざわざスタジオに集める必要もないのか、そもそも多くのコメンテーターが必要なのかという感想も出てきます。番組の中では芸能人やスポーツ選手などのパフォーマンスやトレーニングのシーンを発信するSNS動画を毎日のように紹介しています。
テレビの視聴率の最大の敵はSNSです。SNSを利用するほどテレビを見る機会が減ることになります。視聴率は稼ぎの基本中の基本で、自分たちの稼ぎの機会をSNS動画を紹介していることで減らしているのはおかしいという考え方もあります。しかし、今は作りたくても視聴率が稼げる番組が作れない状態なので、早くSNS動画を紹介しないでも済むようにしたいと願っているメディア関係者も増えています。