抗酸化11 活性酸素と免疫の関係

細菌などが身体の中に入ってきたときに、その近くに活性酸素があると、マイナス電子が欠けている活性酸素は細菌の細胞膜からマイナス電子を奪っていきます。

マイナス電子を奪った活性酸素はプラスとマイナスの電子のバランスが取れた正常な酸素に戻っていきます。マイナス電子を奪われた細菌の細胞膜は、そのままでは細胞膜が壊れやすいために細胞の中からマイナス電子を移していって細胞膜を維持しようとします。

次々と細胞内の電子が移っていって、細胞の中心部にある核のマイナス電子が奪われると、その細胞は働きが止まり、破壊されることになります。そのことから活性酸素は重要な免疫の一つとなっているのです。

活性酸素の仕組みによって、適度な量の活性酸素が発生した場合には身体の健康を守るために必要なものとなり、免疫を高める結果となります。

ところが、活性酸素が体内で多量に発生した場合には、細菌などの外敵からだけではなく、自分の身体の細胞からもマイナス電子を奪うようになります。活性酸素が発生したことによって核を破壊された身体の細胞の破壊は一つだけでは終わりません。

マイナス電子が欠けている限りは、次々に隣の細胞から電子が奪われていって、ドミノ倒し式に細胞が破壊されていくことになります。

活性酸素の被害から身体を守るために身体の中には活性酸素が多量に発生したときには電子のバランスを元に戻して、活性酸素を消し去る働きをする酵素が備わっています。

その酵素の代表的なものはSOD(スーパーオキシドディスムターゼ:superoxide dismutase)です。SODは体内に備わった活性酸素を消去する酵素で、多くの活性酸素が発生したときに働きます。

細胞レベルで見ると、細菌や病原菌なども人間の細胞もほとんど変わりはなく、細菌などを壊すメカニズムは、そのまま人間の身体にも通じます。違っているのは、人間は細胞の数が約60兆個と非常に多く、細胞が破壊されて身体に影響が出るまでには長い期間がかかるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕