抗酸化15 ダイエットと活性酸素の関係

体脂肪として脂肪細胞に蓄積されている中性脂肪は固定されているものではなく、運動や身体を動かすことでアドレナリンが分泌されると、中性脂肪は分解されて、脂肪酸が血液中に放出されます。

肥満と判定されるほど太っている場合には、運動や身体を動かしたときだけでなく、常にアドレナリンが分泌されていて、脂肪細胞の中の中性脂肪は分解され続けています。

体脂肪は、内臓脂肪と皮下脂肪に大きく分けられています。内臓脂肪は内臓の周りに蓄積された脂肪で、主には腸の周りに蓄積されています。皮下脂肪は皮膚の奥に蓄積されている脂肪で、女性は蓄積されやすくなっています。

内臓脂肪は男性に蓄積されやすく、一般には女性は蓄積されにくいものの、肥満と判定されるほど太った場合には女性も内臓脂肪が多く蓄積されるようになります。

また、女性は卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌のバランスが取れていて、生理が周期的に訪れている期間は皮下脂肪が蓄積されやすくなっていますが、更年期となってホルモンバランスが崩れると皮下脂肪が蓄積されにくくなり、その代わりに内臓脂肪が増えるようになります。

内臓脂肪に蓄積された中性脂肪は分解されやすいことから、運動をすると血液中に放出された脂肪酸が血液中に多い状態となります。この脂肪酸は筋肉細胞(赤筋)をはじめとした細胞に送られ、ミトコンドリアのTCA回路の中で代謝してエネルギー物質のATPが作り出されます。このときに多くの活性酸素が作られることから、太っている人は活性酸素の発生量が多いことになります。

この状態を解消するために運動によってダイエットをすると、脂肪酸が多い状態のままミトコンドリア内で代謝させることになるので、標準体型の人が運動をするよりも多くの活性酸素が発生します。

太っていても、太っているのを解消しようと運動をすることでも活性酸素が多く発生することになるわけですが、運動によって消費エネルギー量を増やすだけでなく食事療法によって摂取エネルギー量を減らすことにも取り組むか、活性酸素を消去する作用がある抗酸化成分を多く摂ることがすすめられます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕