抗酸化20 活性酸素と皮膚老化5

皮膚の真皮にはコラーゲン線維やエラスチン線維といったタンパク質や、ヒアルロン酸というムコ多糖類が存在しています。コラーゲンは体内のタンパク質の3分の1ほどを占めていて、全身の約60兆個の細胞を結合させる役割をしています。

エラスチン線維は皮膚のタンパク質の2%ほどでしかありませんが、コラーゲン線維に巻きつくような状態で、コラーゲン線維をバネのように皮膚の組織を支えています。

ヒアルロン酸は真皮の線維芽細胞で造られるムコ多糖類となっています。ヒアルロン酸はアミノ糖の一種のグルコサミンとウロン酸の一種のグルクロン酸が連なった高分子ポリマーとなっていて、1gに6ℓの水を保持することができるといわれ、これによって肌の水分を抱えています。

ヒアルロン酸はコラーゲン線維とエラスチン線維によって作られた網の目構造の隙間を満たして、クッションの役割を高めています。

真皮には線維芽細胞があり、これがコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を作り出しています。UVAは真皮まで到達すると線維芽細胞を刺激して、活性酸素が発生します。活性酸素が発生するとマトリックス・メタロ・プロテアーゼ(MMPs)という酵素が作られますが、MMPsにはコラーゲン線維やエラスチン線維を切断する作用があります。これが紫外線によってシワができる一つの原因となっています。

UVBは表皮のケラチノサイト(角化細胞)に届くと、活性酸素が作られ、生理活性物質のサイトカインが分泌されます。サイトカインは線維芽細胞に働きかけてMMPsを作らせます。これが紫外線によって大きなシワを作る原因となっています。

こういった紫外線の影響を受けても若く健康な肌ではダメージを修復する力が強いのに対し、加齢によって修復力が低下していきます。コラーゲン線維は細く不規則になり、エラスチン線維は太くなり、弾性が失われていきます。

また、ヒアルロン酸も減少して肌に保持される水分量も減少していきます。線維芽細胞は加齢とともに増殖能力が低下していくため、真皮を支える成分が減っていくようになります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕