活性酸素とがんとの深い関係性が指摘されています。
日本人の死因の第1位であるがんは死亡率の30%以上を占め、年々増え続ける一方となっています。がん細胞は、もともとは身体の正常な細胞であったものですが、正常な細胞の遺伝子が傷つけられることによって通常の分裂とは異なる異常な分裂を起こすことから細胞のがん化が始まります。
正常な細胞は、遺伝子に組み込まれた情報によって過剰に増殖しないようにブレーキがかかっています。分裂するのは元の細胞だけで、分裂してできた細胞は分裂することができないようになっています。そのため、分裂するたびに1つずつ細胞が増えていきます。
ところが、遺伝子が傷つけられると抑制のブレーキが効かなくなり、分裂してできた細胞も分裂を始めるようになります。そのため、がん化した細胞は2、4、8、16、32、64、128……というように倍々の増え方をして、一気に増殖していくようになります。
このことが、がん細胞が急激に増えていく理由となっています。若い人ほど、がん細胞は増殖しやすいことが知られていますが、がん細胞は正常な細胞と同じように成長ホルモンを使って分裂をしていくため、成長ホルモンの分泌量が多い若い人のほうが増殖しやすくなっています。
日本人の死亡原因は、終戦から(第二次世界大戦)2年後の昭和22年(1947年)に発表された統計では第1位は結核で、第2位は肺炎・気管支炎でした。これは戦後の食料難の影響もあるものの、日本人は歴史的に栄養不足であったため、免疫力が低かったことと関係しています。
昭和30年代には栄養状態も改善されましたが、昭和40年代以降は食生活の洋風化が進み、その影響から生活習慣病が増え続け、がん(統計では悪性新生物)、心疾患(心臓病)、脳血管疾患による死亡数が増え続けていきました。
死亡原因の第1位は、昭和25年(1950年)までは結核でしたが、昭和26年(1951年)には脳血管疾患が第1位となり、昭和56年(1981年)にはがんが逆転して、それ以降は現在まで、がんが第1位となっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕